しかも、その上、彼女の言う通りに一日の出来事を並べはじめるのだが、もとよりその爺さんは自分じしんの過去の記憶のようなものと、いままさに起こりつつあることと区別がつかないような状態なわけだから、なかなか、思うようにいかないわけ。電車は、ますます西に向かって走っていくわけだし、流れていく風景は既視感にまみれてて、どこまでが爺さん固有の出来事なのかわかんないわけだから、彼女の記憶のようなものと、爺さんの記憶のようなものと、だから、結局は、「あのときも、暑かったねえ。終戦のときもねえ」なんて突然叫びだすものだから、周囲の、買い物に出かける男も、子どもも、そもそも、そんな叫びなんかなかったんだ、って態度で軽やかに無視するのね。そんな西に向かう電車は。
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きむ
9月 12, 2012
1999 12月?中洲の路上で歌って写真撮ってもらいました。
批判精神も送ってもらいましたよ。
ああ、いろいろ思い出しました。
squattersnode
2月 16, 2013
返事が遅くなりました。ブログ放置してしまってて。いかがお過ごしでしょうか。お話したくなりました。